治験市場でのインサイダー事件(前置きなので飛ばしてok)
先日、治験薬開発情報でインサイダー取引があったとして2人が逮捕された事件も記憶に新しいでしょう。
ジャスダック上場の医療ベンチャー「テラ」社がメキシコにおける臨床試験で効果が確認されたこと等を公表し、大幅に値上げした株を売り抜けて、利益を得ていた疑いで逮捕されたのです。
新型コロナ感染症の流行により、少しだけ注目されている治験市場にも思えますが、
そもそも治験の情報ってどこでわかるのでしょうか?
患者の立場としても、投資家の立場としても、気になる治験情報ですが、本日は製薬企業でどのような治験が行われているのか調べることができるサイトを紹介します。
どのサイトで調べればいいの?
現役、某製薬研究開発員の目から見ても、一番、信頼できるのは「ClinicalTrials.gov」です。
世界最大の治験・臨床試験登録サイトで、治験や臨床試験の情報を得るのに、信憑性が高く、確実なサイトです。ただし英語でしか記載されていません。
キーワードや対象疾患名、薬剤名だけでなく、参加者の募集状況からも検索することができます。
アメリカでは2005年より、すべての臨床試験を「ClinicalTrials.gov」に登録・公開することが義務付けられました。つまり、アメリカが参加国として入っている場合の国際共同治験も必ず登録が必要です。
大規模な国際共同治験をやる場合、よっぽどの理由(アメリカにだけ該当する医療ニーズがない等でしょうか?考えにくいですね。)がない限り、アメリカは参加しています。
そして今は翻訳アプリ・ツールが発達しているのでClinicalTrials.govで調べた内容を翻訳サイトにコピペすれば、英語が読めなくても検索できると思います。
日本語で調べたい場合は?
でも、やっぱり日本語で検索したい!という人には臨床研究登録情報検索ポータルサイトがよいでしょう。
4つの登録センター(厚生労働省〔jRCT〕、大学病院医療情報ネットワーク研究センター〔UMIN〕、日本医薬情報センター〔JAPIC〕、日本医師会治験促進センター〔JMACCT〕)に登録された治験の情報が横断的に検索できます。
こちらもキーワードや対象疾患名、薬剤名などから治験の検索ができます。ただし、検索する言葉は、漢字、ひらがな、カタカナでそれぞれ違った検索結果になるので、ご注意ください。
ここで紹介する以外のサイトについては製薬協もまとめてくれていますし(リンク多すぎて結局どれ見たらいいかわかりませんが)、それぞれの薬剤を開発している製薬会社のホームページで実施中の治験を紹介していることもあります。
次回は、より詳しい検索方法や、どこまでが公開情報なのか、について深堀していきたいと思います。
楽しみにしていただけると嬉しいです。
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